生理機能検査

さまざまな測定機器を使用して、心電図、肺機能検査、脳波検査、神経伝導検査、血圧脈波検査(ABI)、超音波検査などをおこなっています。身体から発生する電気信号などを記録したり、超音波を用いて血管や臓器の状態を画像にして身体情報を提供します。また、耳鼻咽喉科にて聴力検査もおこなっています。

心電図検査

心臓の動きやリズムなどを調べる検査です。不整脈、心筋梗塞、狭心症などの診断に役立ちます。
ベッドに横になり、両手、両足、胸部に電極を装着し検査を行います。
健康診断などで行う通常の心電図検査の他に、負荷心電図やホルター心電図などもおこなっています。
  • 負荷心電図 : 階段を上り下りや歩行などの負荷をかけることで狭心症、不整脈の重症度や治療効果を評価します。
  • ホルター心電図 : 日常生活での心電図変化を24時間記録します。不整脈や狭心症の評価や症状発生時の心電図変化をとらえる目的で行い、解析も当院で行います。一日の行動の記録を書いていただきます。また、入浴はできません。
心電図検査の写真1
心電計

日本光電 ECG-2550

心電図検査の写真2
ホルター心電計

日本光電 DSC-5300

心電図検査の写真3
ホルター心電図解析プログラム

日本光電 QP-551D

超音波検査

 人の耳では聞こえない高い周波数の音波(超音波)を身体に発信して、返ってくるエコー(反射波)を受信し、身体の内部を画像に映し出す検査です。痛みや放射線による被爆の心配がなく、身体への負担が少ない検査です。

心臓超音波検査

心臓超音波検査の写真
心臓に超音波を当てることで身体にがいなく心臓の動きや大きさを詳しく調べることができる検査です。心房や心室の大きさ、心臓の厚さや動きなどから、心肥大、心拡大、心筋梗塞とその範囲などが診断できます。また、心臓の弁の形や動きから、心臓弁膜症とその程度を判定します。他にも、心臓中核欠損症のような先天性の心臓病の診断にも役立ちます。
検査の際には、胸にゼリーをつけますので、上着を着替えてもらいます。

腹部超音波検査

 健康診断では主に、肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓などが観察対象です。それぞれの臓器の大きさや、腫瘍、ポリープ、結石などが無いかを調べます。また、手術前後に経過観察などの意味で調べる場合もあります。
検査部位によっては、大きく息を吸ったり、息を吐いたりなどの呼吸コントロールや、体位変換が必要となるため、協力をお願いすることもあります。

その他

 頸動脈などの欠陥の詰まりなどを観察する血管超音波検査、甲状腺などの身体の表面に近い部位を観察する体表超音波検査も実施しています。

血圧脈波検査(ABI)

両手両足の血圧を測定し、動脈硬化の進行度や下肢動脈の狭窄を評価します。
動脈硬化が進んでいない場合、横になった状態で両腕と両足を測ると足首のほうがやや高い値を示します。しかし、動脈に狭窄や閉塞があるとその部分の血圧が低下します。こういった動脈の狭窄や閉塞は主に下肢の動脈に起きることが多いため、上腕と足首の血圧の比によって狭窄や閉塞の程度(いわゆる血管年齢)がわかります。
血圧脈波検査の写真
血圧脈波検査装置

OMRON BP-203RPEⅢ

皮膚灌流圧検査(SPP)

下肢の血流障害の程度を評価する検査です。
レーザーセンサと血圧計を用いて血流を皮膚表面の血流を調べます。血圧計で血流をいったん遮断した後、徐々に血圧計の空気を抜いていき血流が再び戻るポイントを測定する検査です。

肺機能検査

 息を大きく吸ったり吐いたりして検査を行い、肺活量や一秒間に息を吐き出す勢いなどを測定し、肺や気管の機能を調べます。
 また、検査結果や性別、年齢、体重、身長をもとに肺年齢を算出することができます。 
 息切れや咳、痰が出るなど肺の疾患が疑われるときや、手術時の麻酔法の選択時にも検査を行います。努力次第で検査成績が変わることがあります。検査中は担当技師が声をかけて誘導いたしますので、ご協力をお願いいたします。
肺機能検査の写真
電子スパイロメータ

CHEST HI-105

神経生理検査

脳波検査

頭皮に電極をつけて脳の活動電位を調べる検査です。頭痛、てんかん、けいれん、意識障害などの症状があるときに検査をします。通常、睡眠時の脳波を検査しますので、当日は寝不足の状態できてください。
検査は約1時間かかります。小さなお子様でなかなか寝付けないときには数時間かかることもあります。場合によっては眠り薬を使用することがあります。その際は、予約時間の1時間前に来院していただくことになりますので看護師に確認してください。
脳波検査の写真
脳波計

日本光電 EEG-1218

脳波室の写真

神経伝導検査

神経が手足へ信号を伝えているかどうかを調べます。手足のしびれや痛みがあるときなどに行います。
検査時間は測定部位によって変化しますが、最低でも30分はかかります。
検査は低周波治療器のような刺激があり、多少の痛みがあります。

聴性脳幹反応(ABR)

脳波を利用した聴力検査です。この検査は、音を聞かせ、それに反応する脳波をコンピュータを使って記録しますので、新生児、乳幼児、知能の低下があって普通の検査ができないとき、および脳腫瘍による難聴の診断に有用です。また、脳波の波形を分析することによって、難聴の程度、障害部位を診断することも可能です。
検査中は体を動かさないようにし、小さなお子様では眠り薬を使用することがあります。
聴性脳幹反応の写真
筋電図・誘発電位検査装置

日本光電 MEB-9404

聴覚機能検査

 耳鼻咽喉科診察室の横にある聴力検査室にて各種聴力検査をおこなっています。

標準純音聴力検査

 一般に聴力検査という場合には、この標準純音聴力検査のことをさします。周囲の雑音を遮蔽する防音壁で検査を行います。ヘッドフォンを両耳にあて、125ヘルツから8000ヘルツまでの7種類の高さの異なる音のきこえを調べます。左右別々に検査を行い、聞こえる最も小さな音の大きさを調べます。この検査を行うことによって、難聴があるかどうか、及び難聴の程度がわかります。

 

語明聴力検査

 私たちが、きこえという場合、ことばのきこえが重要になることは言うまでもありません。語明聴力検査では、日常会話で使われる語音、「あ」とか「い」などの語音が使われます。検査語音がどの程度の音の大きさだと何%聞こえるかを調べる検査です。

チンパノメトリー

 鼓膜の動きの程度を調べる検査です。外耳の空気圧の変化を作り、鼓膜に当てた探査音のはね返り具合から、鼓膜の動き具合を調べます。中耳炎や耳管狭窄症のなどの診断に有用な検査です。

新生児聴覚スクリーニング検査

新生児に対して行われる聴力検査です。当院では「オートABR」をおこなっています。

オートABR

聴性脳幹反応(ABR)を35デシベルのみ検査する簡易検査です。
新生児聴覚スクリーニング検査を行い、早期に耳の聞こえの問題を発見することは、その後の支援のためにも重要となります。これらの検査は簡易検査であり、最終的な判断が出るものではありません。再検査の際には聴性脳幹反応(ABR)を行い、原因を精査します。
新生児聴覚スクリーニング検査の写真1
聴覚誘発反応測定装置

日本光電 エコースクリーンⅢ

新生児聴覚スクリーニング検査の写真2