当院は令和3年4月1日北海道認知症疾患医療センター(連携型)の指定を受けました。
都道府県知事が指定する病院に設置される認知症疾患医療センターには基幹型のⅠ型・Ⅱ型、地域型のⅢ型、連携型のⅣ型の4種類があります。道内には20病院にⅢ型、4病院にⅣ型が設置されています。それ以外に(政令指定都市である)札幌市長が指定する認知症疾患医療センターが札幌医科大学附属病院・北海道医療センターに設置されています。また、北海道大学病院には経度認知障害センターが設置されています。
認知症疾患医療センターは1.認知症の診断と対応、2.身体合併症・周辺症状への対応、3.専門医療相談の実施、4.地域連携の促進、5.専門医療・地域連携を支える人材育成、6.情報発信が主な役割となっています。広域紋別病院の実情を踏まえ、身の丈に合った診療を実施しています。詳細につきましては当院HPも御参照頂ければ幸いです。毎月認知症コラムも更新しています。
認知症疾患医療センターとしての診察は精神科外来でおこないます(1時間枠)。初診は予約制で、1時間前に来院していただき、頭部CT・血液検査を実施します。診察開始時には結果が出そろっています。認知症以外の病態の有無や程度を把握するためにも診察前検査は重要です。検査結果を踏まえた上で、生育歴・現病歴を聴取します。生い立ち・人となりについてうかがいながら、どれくらい適切に質問に答えられるか、どれくらい覚えているか/思い出せるか、集中力や覚醒水準は保てているか、振り向き動作や取り繕いは目立たないか、などを評価します。その上で認知症機能検査(長谷川式簡易知能評価スケール+MMSE)を実施し、必要に応じてパーキンソニズムを評価し、総合的に臨床診断します。診断結果に応じて、向後の臨床経過や介護申請した場合の生活の見通しなどを説明します。もし要望があれば薬物療法についても検討します。
異常がないことを確認するための受診でも結構です。お気軽にご相談ください。
1. 認知症の診断と対応
(イ)核医学検査(脳血流SPECT・MIBG心筋シンチグラフィー・DATシンチグラフィー)はできません。認知症の核医学検査を希望される場合は保健医療連携室を通じて第三次医療圏の地域型認知症疾患医療センターである北見赤十字病院と連携を取らせて頂きます。
(ウ)日常生活を安心・安全に送るために、必要であれば補助的な薬物療法を検討させて頂きます。
(エ)認知症の経過(初期・中期・後期・終末期)を踏まえつつ、生活上・介護上の様々な疑問に対して適宜アドバイスさせて頂きます。
2. 身体合併症・周辺症状への対応
窓口
- 電話 : 0158-24-3111
- FAX : 0158-24-3111
- mail : s-saito_m@mombetsu-hospital.jp
内容
(イ)当院には精神病床がなく、大声を上げるなど激しく興奮している場合、あまりにも拒否・拒絶が強い場合など、重篤な身体合併症があったとしても入院治療をお引き受けできない場合もあります。その場合は保健医療連携室を通じて第三次医療圏の地域型認知症疾患医療センターである北見赤十字病院(あるいは精神病床を有する他の精神病院)と連携を取らせて頂きます。
(ウ)身体合併症・周辺症状・せん妄の『初期対応』につきまして、要望があれば適宜、認知症診療医がZoomで相談に応じます。時間は17時30分から30分程度、当院への通院歴がない入院患者様・施設利用者様に関する相談でも構いません。お手元にできる限り、既往歴や最近の検査結果について御準備下さい。できるだけ早急に日程調整させて頂きますが、特に緊急を要する場合は別途お知らせ下さい。
3. 専門医療相談の実施
窓口
- 直通電話 : 0158-23-6016
- FAX : 0158-23-6022
内容
(イ)興部町・滝上町・雄武町・西興部村には巡回診療もおこなっており、保健医療連携室を通じて適宜相談に応じます。
(ウ)アルツハイマー型認知症の新薬レカネマブ(商品名:レケンビ)、ドナネマブ(商品名:ケサンラ)を用いた治療(抗アミロイドβ抗体薬治療)につきましては、当院では当面実施する予定はありません。適宜治療可能な医療機関と連携させて頂きます。抗Aβ抗体薬治療の基本情報につきましては、過去の認知症コラム(令和5年3月、令和5年10月)および東京都作成のリーフレット『アルツハイマー型認知症の新しい薬ができました』(PDF:1.08MB)を御参照ください。印刷した同リーフレットおよび抗アミロイドβ抗体薬治療に対する当院の基本理念(PDF:903KB)につきましては保健医療連携室に用意させていただきます。より詳細な相談につきましては、当院精神科で新患予約を入れていただいた上で、認知症診療医が時間をかけて対応させていただきます。
4. 地域連携の促進
窓口
- 電話 : 0158-24-3111
- FAX : 0158-24-3111
- mail : s-saito_m@mombetsu-hospital.jp
内容
(イ)要望があれば適宜臨時協議会を開催します。
5. 専門医療・地域連携を支える人材育成
窓口
- 電話 : 0158-24-3111
- FAX : 0158-24-3111
- mail : s-saito_m@mombetsu-hospital.jp
内容
・グループホームなど施設単位でも構いません。
・1回1時間程度、5名以上の参加で引き受けます。
・出張・院内・Zoomで可能です。謝礼は不要です。
・平日夜間18時30分から20時00分で日程調整させて頂きます。
・研修内容(下記以外でもリクエストに応じます)
1.認知症の主な種類とそれぞれの特徴
2.認知症をどう理解しどう関わるか(総論)
3.認知症の薬物療法
4.認知症と自動車運転
5.認知症の終末期と関わり方
6.認知症の行動・心理症状(BPSD)
7.認知症で早期発見するべき身体合併症とせん妄
8.認知症各論 : アルツハイマー型認知症
9.認知症各論 : 血管性認知症
10.認知症各論 : レビー小体型認知症・パーキンソン病の認知症
11.認知症各論 : 前頭側頭葉変性症
12.認知症各論 : 『精神病の認知症化』と『精神病を併存する認知症』
13.医療機関との上手な付き合い方
(イ)要望があれば適宜症例検討会に参加します。
・グループホームなど施設単位でも構いません。
・1回1時間程度、5名以上の参加で引き受けます。
・出張・院内・Zoomで可能です。謝礼は不要です。
・金曜日以外の平日夜間18時30分から19時30分あるいは18時30分から20時00分で日程調整させて頂きます。
6. 情報発信
(イ)題材の御要望がございましたら事務部医事課 電話:0158-24-3111/FAX:0158-24-3111/mail:s-saito_m@mombetsu-hospital.jp までお申し付けください。