広域紋別病院

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認知症コラム

3月:認知症をどう理解しどう関わるか

 人それぞれに物語があります。認知症の解釈も十人十色で良いと思いますが、やはりどこかに救いや希望があって欲しいものですよね。縁あってこの世に身を置く期間、自分の意志でコントロールできないことはたくさんあります。認知症の発症も然りで、人一倍、健康に気遣い長生きできたとしても、長生きすればするほど認知症のリスクは高まります。レーガン(第40代アメリカ)大統領も晩年はアルツハイマー病でした。人類の長い歴史の中で、ひとりの人間の寿命など、ごくごくわずかな時間です。運命に抗っても、進行する病的過程は簡単には止められませんので、認知症になる前から悔いのない生き方をして下さい。医学的診断は将来を見通し、医学的治療は症状を軽減しますが、それもよくよく考えれば、ごくわずかな時間軸での出来事です。運命に抗い1分1秒でも健康を志向しますか?(たとえ毎日でなくとも)和気藹々とした時間を誰かと共有しますか?あるいはこれまでと同じリズムで一日を淡々と過ごしていきますか?認知症者に新しい記憶は増えていきませんが、周りで過ごす者にとって、新しい思い出を増やすことはできます。認知症に限らず、病気は誰かと自分をつなぐ架け橋となります。人間の死亡率は100%で、誰もがいつかは旅立ちます。つながりに感謝しながら、残された時間を生きていくのが賢明と思います。

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