認知症コラム

認知低下とせん妄

 広域紋別病院HP認知症疾患医療センターのコラムにアクセスしていただきありがとうございます。広域紋別病院YouTube公式チャンネルでは、「病院紹介動画」「いつでも公開講座」を公開しています。ご視聴・チャンネル登録いただければうれしいです。尚、近年AI技術の進歩により、医学分野でも標準的な情報を容易に、かなり適切に検索できるようになりました。本コラムは令和7年度、今回と次回をもって終了とさせていただき、「いつでも公開講座」による情報発信に注力させていただきたいと思います。ご理解・ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
 認知症の人が、急におかしなこと、辻褄の合わないことを話され、ビックリする支援者は多いです。診察中、『先生聞いて下さい!急に認知(低下)が進みました!こんなおかしなことがあったんですよ!』と事細かに報告を受けることもしばしばです(精神科医にとって、話を聞くことも仕事のうちですが、自分は聞き続けることが苦手です)。認知症は『進行性に認知機能が低下する病い(やまい)』ではあるものの、新たに大きな脳梗塞でも発症しないかぎり、『1-2ヶ月のうちに急激に進行するほど恐ろしい病い』ではありません。であれば、なぜ急におかしなことを言い出すのか?
 このような場合、頭がボーッとして、半分寝ぼけたような(夢みたいな現実みたいな)状態となっていることが多いです。これを専門用語で『せん妄』といいます。一時的に頭がボーッとしているだけ(=意識障害、覚醒水準の低下)なので、時間が経てば元に戻ります。でも、また悪くもなります。運転中・授業中・映画鑑賞中に眠たくなって、いつの間にか『こんなところまで進んでいた!』という経験は誰にでもあることでしょう。認知症がなくともせん妄は起こり得るのですが(特に術後、麻酔後など)、認知症があり、さらに身体的コンディションの悪化が加わると、頭がスッキリした状態(覚醒水準)を保つことが難しくなります。認知症の薬は、覚醒水準の低下にも効果があるとされています。