広域紋別病院

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認知症コラム

12月:レビー小体型認知症・パーキンソン病の認知症

 『パーキンソン病の認知症』と『レビー小体型認知症』は親戚みたいなものです。『パーキンソン病の認知症PDD』『パーキンソン病PD』『レビー小体型認知症DLB』いずれもレビー小体が脳内に出現する疾患で、脳内のどこからどこに向かってレビー小体が時間的・空間的に広がっていくかにより異なります。レビー小体が脳幹に多く出現した場合はパーキンソン症状(運動症状)が出現しやすく、大脳皮質に多く出現した場合は認知機能障害(非運動症状)が出現しやすくなります。神経病理学的にはα-シヌクレインを主要成分とするレビー小体が脳の神経細胞や脊髄・(心臓を含む)自律神経領域に多数出現・蓄積します。そのため本邦でも心臓の核医学検査(MIBG心筋シンチグラフィ)の所見が歴史的に重要視されてきました。核医学検査が実施できない当院においては、中核的特徴である『認知変動』『幻視』『REM睡眠行動異常』『パーキンソン症状』以外に、『抗精神病薬への過敏性』『立ちくらみ』『繰り返す転倒』『原因不明の失神』などの支持的特徴を手掛かりに診断しています。PDD・PD・DLBいずれも『変動・不安定性』が特徴で、一日の中でパーキンソン症状・覚醒水準・薬効の出現が変動しやすく、かつ薬物調整により病態が改善しても持続的に安定してくれないことが珍しくありません。症状・経過の多様性と不安定性から本人・介護者・援助職ともに悩まされやすい認知症のひとつです。

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