広域紋別病院

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認知症コラム

4月:認知症の進行度

 認知症の進行度は初期・中期・後期・終末期の4段階に分けるのが最もわかりやすいと思います。あえて一語で要約すると、①初期≒発症、②中期≒要介護、③後期≒施設検討、④終末期≒在宅困難となり、①初期は認知症の中核症状・周辺症状が出現し生活への支障が現れたとき、②中期は症状の出現により何らかの助け(介護)が必要となったとき、③後期は尿・便失禁や家族のこともわからなくなる時間帯が出て来たとき、④終末期は常時身の回りのお世話(24時間の介護)が必要となったとき、となります。発症年齢や診断によっても異なりますが、全経過を概ね7年~10年と捉えておけば大きく外れることはありません。認知症の臨床像も初期・中期ではバリエーションがありますが、後期・終末期になると臨床像からの鑑別は難しくなります。行き着くところは皆、同じというわけです。初期・中期では行動・心理症状も多彩で華々しいことが多く、介護者も『一体これがいつまで続くのか』と途方に暮れることもあるでしょうが、認知症の進行とともに低活動となっていきます。家庭に介護者がおらず、ほとんどが便失禁となれば、衛生上の問題もありますので、施設入所を検討した方が良いでしょう。むしろここから逆算して、施設入所の手続を前もって進めていく必要があります。入りたいときにすぐ入れるわけではありません。

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